鉄道オタクの作曲家

2017/02/11
鉄道オタクの作曲家
雑学 人物

列車の名前にもなった



届かぬ恋の歌』で紹介したドヴォルザーク
実は大の鉄道オタクとして知られており、そのエピソードは真贋問わずで山ほど出てきます。

鉄道にはまっていったきっかけは幼少の頃を過ごした家のすぐそばに鉄道の駅があったこと。
ドヴォルザークがヴァイオリンを弾いていた教会の窓からよく汽車を眺めていたそうです。
プラハに引っ越す際もプラハ駅のすぐそばに居を構え、毎日散歩の際には駅を訪ねていたようです。

ここまでは微笑ましい鉄道好きのエピソードですが、ドヴォルザークの鉄道オタクぶりはどんどんと熱を帯びていきます。
駅の時刻表や汽車の番号、駅員や乗務員の名前を全て暗記し、毎日のように駅員に話しかけては新しい情報を収集していました。
汽車が遅れて到着した時にはなぜか駅員と一緒にお客さんに謝罪して回る有様です。

ある日新しい汽車が登場するということを小耳に挟んだドヴォルザークでしたが、あいにくその日は仕事で見に行くことができません。
そこでドヴォルザークは自分の弟子で娘の恋人であったスークに新しい汽車の番号を控えてきて欲しいと頼みます。
しかし鉄道に詳しくなかったスークはドヴォルザークが求めていた番号とは違う番号を控えてきてしまいます。
激怒したドヴォルザークは娘に対して「こんな男と結婚するつもりか!」と怒鳴りつけたそうです。

逆に鉄道オタクがいい方向に転んだエピソードも紹介しましょう。
大の鉄道オタクで大作曲家でもあるドヴォルザークは当然のことながら汽車の走る音にも関心を持っていました。
ある日いつものように汽車の走る音に耳を傾けていたドヴォルザークですが、どこかいつもと音が違うと感じます。
車掌にその旨を伝え実際に点検をしてみると、本当に故障が見つかり事故を未然に防ぐことができました。

とことんまで鉄道にはまったドヴォルザークは「もし本物の汽車が手に入るのであれば、自身の作品の全てと交換してもいい。」とまで言ってのけます。
その夢は叶わなかったものの、現在アントニン・ドヴォルザーク号という特急列車がウィーンとプラハ間を運行しており、天国のドヴォルザークは狂喜乱舞しているに違いありません。

ドヴォルザークの代表作でもある交響曲第9番『新世界より』はそんなドヴォルザークの鉄道熱が反映された作品とも言われています。
有名な第4楽章はどんどん速度を上げていく汽車が線路を走っている様を描写し、第1主題の終わりでブレーキを踏んで連結させるといった具合です。

ヨーロッパの青空の下を走る汽車を連想しながら作品を聴くと、また違った楽しみ方ができますね。

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