大砲を楽器として使った音楽
序曲「1812年」

1880年5月末、チャイコフスキーの元へ出版社から1通の手紙が届きます。
内容は友人であるニコライ・ルビンシテインが博覧会での音楽をチャイコフスキーに依頼しようとしているので、作品を作って欲しいというもの。
しかし期限や報酬など、具体的な要件が書かれていないことに気を悪くしたチャイコフスキーは、この申し出を不愉快だとして断ります。
後日、今度はニコライ・ルビンシテイン本人から作曲の依頼がきます。
さすがに友人からの頼みを無下に断ることも出来ず、チャイコフスキーは渋々この依頼を受けます。
しかしよっぽど気が進まなかったのか、資金援助を受けていたメック夫人に手紙で「凡庸なものを書かないなら、騒々しいものを書くしかない。」としたためています。
なんだかんだ責任を果たし、友人からの依頼の作品を仕上げたチャイコフスキー。
この作品は1812年にロシアに侵攻したナポレオン軍を撃退するまでの歴史的事実を音楽で描写した作品です。
このような史実上の戦争を題材とし、さらにはチャイコフスキーが騒々しいものを書くと言った結果、この作品の終盤にはとんでもない仕掛けが施されることとなります。
なんとcannon(大砲)というパートがあるのです。
しかも発射されるのは合計16発!
ロシア軍の勝利の凱歌として撃ち鳴らされます。
この作品の演奏の際にチャイコフスキーは当然、本物の大砲を使うことを望みます。
しかし実際に大砲が使われたかどうかについては諸説あり、初演で本物の大砲が撃ち鳴らされたという説、チャイコフスキーの生前には叶わなかったという説など入り乱れています。
当時のことは分かりませんが、現代でこの作品を演奏する際に本物の大砲が使われるという例は枚挙に暇がありません。
日本でも自衛隊がこの作品を演奏する際には実際の大砲を使用するのですが、過去には失敗に終わってしまった例もあり、2007年の東富士演習場での演奏の際に現役で配備されているFH70という大砲を使った所、あまりの砲撃音の大きさに演奏者と聴衆の聴覚が麻痺してしまい大失敗となりました。
ただ大砲を使う以上、その砲撃音が鳴った後は管弦楽の音は掻き消されてしまいます。
またそんなに簡単に大砲、また大砲を撃ち鳴らせる場所を確保することはできませんので、バスドラムなどで代用することが多いようです。
蛇足ですが、作品の内容からロシアでは大人気である一方、フランスではほとんど演奏される機会がないそうです。
内容は友人であるニコライ・ルビンシテインが博覧会での音楽をチャイコフスキーに依頼しようとしているので、作品を作って欲しいというもの。
しかし期限や報酬など、具体的な要件が書かれていないことに気を悪くしたチャイコフスキーは、この申し出を不愉快だとして断ります。
後日、今度はニコライ・ルビンシテイン本人から作曲の依頼がきます。
さすがに友人からの頼みを無下に断ることも出来ず、チャイコフスキーは渋々この依頼を受けます。
しかしよっぽど気が進まなかったのか、資金援助を受けていたメック夫人に手紙で「凡庸なものを書かないなら、騒々しいものを書くしかない。」としたためています。
なんだかんだ責任を果たし、友人からの依頼の作品を仕上げたチャイコフスキー。
この作品は1812年にロシアに侵攻したナポレオン軍を撃退するまでの歴史的事実を音楽で描写した作品です。
このような史実上の戦争を題材とし、さらにはチャイコフスキーが騒々しいものを書くと言った結果、この作品の終盤にはとんでもない仕掛けが施されることとなります。
なんとcannon(大砲)というパートがあるのです。
しかも発射されるのは合計16発!
ロシア軍の勝利の凱歌として撃ち鳴らされます。
この作品の演奏の際にチャイコフスキーは当然、本物の大砲を使うことを望みます。
しかし実際に大砲が使われたかどうかについては諸説あり、初演で本物の大砲が撃ち鳴らされたという説、チャイコフスキーの生前には叶わなかったという説など入り乱れています。
当時のことは分かりませんが、現代でこの作品を演奏する際に本物の大砲が使われるという例は枚挙に暇がありません。
日本でも自衛隊がこの作品を演奏する際には実際の大砲を使用するのですが、過去には失敗に終わってしまった例もあり、2007年の東富士演習場での演奏の際に現役で配備されているFH70という大砲を使った所、あまりの砲撃音の大きさに演奏者と聴衆の聴覚が麻痺してしまい大失敗となりました。
ただ大砲を使う以上、その砲撃音が鳴った後は管弦楽の音は掻き消されてしまいます。
またそんなに簡単に大砲、また大砲を撃ち鳴らせる場所を確保することはできませんので、バスドラムなどで代用することが多いようです。
蛇足ですが、作品の内容からロシアでは大人気である一方、フランスではほとんど演奏される機会がないそうです。
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