関係調とは?

2016/09/28
関係調とは?
知識 入門

4つの分類



調性音楽を旋法から学ぶ』で"調"というものについて簡単にお話しました。
そして同じ長調という調でもハの音から始まればハ長調、トの音から始まればト長調となります。
今回はひとつの調を基にしてどのような展開が可能なのかについてお話したいと思います。

まずは調を展開するとはどういうことでしょうか。
転調という言葉を耳にしたことがある方も多くいらっしゃるかと思いますが、調を展開するというのはいわゆる転調をするということと同義です。
ドラマチックな展開を狙ったり、ガラリと雰囲気を変えたりというテクニカルな意味合いだけでなく、その調に意味を込めることで作品に哲学を持たせる意味合いもあります。

同一の曲内で調を変える転調ですが、古典音楽では転調をする際になるべく違和感なく調を変えることを良しとしてきました。
そのためにはなるべく構成する音が近い調同士の方が自然な転調が可能になります。
このように構成音が近く転調しやすい調同士を関係調と呼びます。

関係調は次の4つに分類されます。

まずは同主調。
これは同じ基音を持つ2つの調、例えばハ長調に対してハ短調、ト長調に対してト短調という関係になります。

次に平行調。
平行調は同じ調号によって示される調のことを言います。
例えばハ長調は♯も♭も付きませんよね。
同様にイ短調も音階はちがいますが♯も♭も付きません。
このような関係にある調を平行調と言います。

次に属調。
これは調号で言うと♯がひとつ増えた調、もしくは♭がひとつ減った調になります。
楽器をやったことがない方ですとイメージが付きにくいかもしれませんが、基音から完全5度上の音を基音とした同音階の調とも言うことができます。
また属調の平行調も調号が変わりませんので同様に属調となります。
例えばハ長調に対してト長調、ホ短調が属調になります。

最後に下属調。
これは調号で言うと♯がひとつ減った調、もしくは♭がひとつ増えた調になります。
基音から完全5度下の音を基音とした同音階の調とも言えます。
属調と同様に下属調の平行調も調号が変わらない為、下属調になります。
ハ長調に対してヘ長調、ニ短調が下属調になります。

なかなか言葉だけで理解するのは大変ですが、関係調で転調をすると違和感なく転調することができるようになります。
もちろん関係調であってもあえて突然調が変わったようなニュアンスを出すことも可能ですし、逆にロマン派音楽以降では関係調で転調をしないことで新しい響きを手にすることに成功しています。
音楽に正解はないということですね。

蛇足ですが、カラオケでキーを上げるように全体の調を一律に上げ下げする際は移調という言葉を使います。

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