世界初のヒーリングミュージック?

2016/07/04
世界初のヒーリングミュージック?
雑学 楽曲

不眠症の伯爵



不眠症というと何か現代病のような響きがありますが、どんな時代でも当然人間がいればストレスもあり、ストレスがあれば不眠症患者もあったことでしょう。
バロック時代と呼ばれた18世紀にも当然のように不眠症患者はいました。

ドレスデンに赴任していたカイザーリンク伯爵は、不慣れな土地に赴いたせいか極度の不眠症に悩まされていました。
今のように体系だった精神医療なんてない時代ですから、カイザーリンク伯爵は不眠症の改善のために一計を案じます。

伯爵にはゴルトベルクというお抱えのチェンバロ奏者がいました。
このゴルトベルクに、旧知の間柄であった大バッハに眠れる曲の作曲を依頼するように命じたのです。

この依頼を快諾した大バッハは、主題に基づく30の変奏曲と2つのアリアを含む曲集を作曲します。
高度な対位法と難解なアプローチのこの作品をゴルトベルクが弾けるように指導するというおまけ付きでした。
この曲集が現代では『ゴルトベルク変奏曲』として知られている作品です。

さっそく伯爵のもとに戻ったゴルトベルクはこの『ゴルトベルク変奏曲』を演奏し、それを聴いた伯爵は安らかな眠りに落ちたとのことです。

あの脳科学者の茂木健一郎氏もこの『ゴルトベルク変奏曲』を、魂が癒される完璧な作品と称しており、脳科学的に言うと"引き込み現象"という脳が心地よさを覚える仕組みが使われているそうです。
この心地よいという感覚の解釈の差かもしれませんが、一説には眠れる曲ではなく眠れなくても気分が晴れる曲というオーダーだったとも言われています。

これからは寝苦しい夜が続く季節ですので、眠れない夜はこの『ゴルトベルク変奏曲』をお供にしてみてはいかがでしょうか。

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