交響詩とは?

2016/04/25
交響詩とは?
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交響曲との違い



交響詩というのは何か、それを簡潔に言ってしまうと『交響曲の標題音楽版』ということになります。
交響詩はリストによって発明された形式とされていますが、この定義に当てはめると古典派時代にも交響詩と呼べる作品があります。

それはオペラの序曲です。
オペラは台本がある以上ストーリーがあるので、ストーリーから完全に独立した序曲というのはありませんし、オーケストラによって演奏されます。
この序曲を切り取って一つの作品としたものがリストの発明した交響詩の原型である為、交響詩は多楽章制をとらないことが多く、一般的には単一楽章にてその標題の世界観を表現します。

交響詩以前の標題付き交響曲



古典派音楽の頂点にしてロマン派音楽の旗手でもあるベートーヴェン
ベートーヴェンは交響曲第6番『田園』にて早くも交響曲に標題を用いています。

各楽章ごとに『田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め』、『小川のほとりの情景』、『田舎の人々の楽しい集い』、『雷雨、嵐』、『牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち』という標題が付されており、ベートーヴェンの交響曲では合唱付きの交響曲第9番と並び、古典派の枠を飛び越えた作品と言えます。

次に『ベルリオーズの幻想交響曲に秘められた殺人計画』で紹介した、ベルリオーズの『幻想交響曲』です。
この交響曲は失恋を機に相手を殺そうとしてしまう程の激情家であったベルリオーズの自叙伝的な交響曲です。

形式はベートーヴェンの交響曲第6番『田園』に倣いながらも、自身の狂気にも似た感情をまったく新しい管弦楽手法で表現したロマン派音楽の傑作のひとつです。
結果ベルリオーズが恋人の殺害を思いとどまったおかげで現代に正しく残されているという意味でも感慨深い作品です。

リストの交響詩



リストの交響詩の代表曲に『前奏曲』という作品があります。
この作品は独立した曲ですが、『前奏曲』というのは不思議なタイトルですよね?

元々は『四大元素』という合奏曲の序曲として作曲された作品なのですが、独立して発表するとなった際にラマルティーヌの詩である「人生はすべて死への前奏曲にすぎない」という標題を取り、交響詩として発表したのです。
この「人生はすべて死への前奏曲にすぎない」という詩はリストの人生観とも重なる言葉だったようです。

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