指揮者の必要性

2015/11/30
指揮者の必要性
入門 知識

指揮者って必要なの?



前回オーケストラとは何かという投稿をしましたが、本日はそのオーケストラの顔ともいえる指揮者についてです。
クラシック音楽に馴染みのない方には、指揮者って必要なの?そもそも誰も指揮者を見ていなくない?と思いがちです。

他でもない僕もずっとそう思っていました。
しかし我々が目にする指揮者というのはコンサートの本番で指揮棒を振っている姿だけです。
これは指揮者という仕事における、ほんのほんの一部で、その裏ではとんでもない重責と闘っているのです。
もちろんここで書くことですら、指揮者という仕事にとってはごく一部となってしまいますが、何となくのイメージを掴んでもらえたらと思います。

オーケストラに対して専任の指揮者か、客演の指揮者かによっても変わってきますが、まずは演奏する曲目の選定をします。
そしてスコアに沿ってその曲を解釈していくのですが、同じ絵を見ても美しいと感じる人もいれば何も感じない人もいるのと同じで、曲の解釈もその指揮者によって大きく変わってきます。
音の大きさ、リズム、余韻の残し方など、指揮者によってもその表情はまったく変わりますので、聴衆は同じ曲を聴いてもまったく違う世界に行くことができるという、これはクラシック音楽の大きな楽しみのひとつとなります。

しかしどんなにスコアを読み込んで、美しい解釈を得たとしても演奏者がその解釈を再現できなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます。
ここも指揮者の腕の見せ所です。
演奏者という個性的な人間の集団をオーガナイズし、自分の解釈を伝え続けなければいけません。
繊細な芸術家という面と豪胆な経営者のような相反する面を同時に有していなければならない、これだけでも指揮者という門の狭さが垣間見えると思います。

勝手な解釈ですが、スティーブ・ジョブズはそういった人間性を有しているように見えるので、彼の振るオーケストラがどんな音を出すのか想像してみるとおもしろいですね。
iPhoneのような無駄のないシャープな演奏になるのでしょうか。

サッカーの監督と同じ?



こうやって見てみると、サッカーの監督に似ているように思えるのですが、試合だけを見れば1歩も走らない監督が1億円を超える年俸をもらっているのはおかしいように思えます。
しかし選手のモチベーション管理や練習メニュー作成、戦術策定など見えない所で重要な仕事を担っています。
同じチーム、同じ選手なのに監督が交代した途端に成績が急上昇するのを見ると、いかに全体のオーガナイザーが重要な存在なのかが分かりますよね。

指揮者って意味があるの?と思っている方は好きな楽曲を複数の指揮者で聴いてみて、次にその気に入った指揮者の振るオーケストラを聴くとクラシック音楽の世界がどんどん広がっていくと思います。
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